梅雨入りの悩み2009年06月10日

雨の中の茄子
 やっと梅雨入りしました。今日はひどい雨です。Yさんと雇われ仕事で草刈りに行くはずが、中止になりました。
 農業をしていると恵みの雨ですが、困ったことが一つだけあります。それは、水道の水が濁ることです。この辺りの水道は、すべて谷から引いた水、つまり混ぜものなし。何も足さない、何も引かない、100パーセント天然水です。簡単な沈殿はするものの、フィルターを通すこともありません。・・・で、大雨が降るとどうなるかというと、当然濁るんですね。だって天然水だもん。コーヒーを入れようと思って水を汲むと、蛇口からコーヒーが出てきます。色だけだけど。ちょっとしたフィルターなんかじゃすぐ目詰まりを起こして使い物にならなくなります。風呂がまたすごい。子供の時の夢でした。水たまりのお風呂。しかもちゃんと温かい。洗濯するとかえって汚れます。仮に泥汚れに強い洗剤を買っても、役に立ちません。
 ではそうやって暮らしているのか。
①比較的小降りの時にためておいて、上澄みを使う。
②スポンジ等で作った自作のフィルターで漉して使う。
③気づかなかったことにしてそのまま使う。
の三つを臨機応変に使い分けて暮らしています。でも、蛇口から水が出るだけで十分有り難いので、別に不満はありません。水道代は年間二千円だけですしね。天然水ですしね。水のせいかどうかは分かりませんけれども、この辺りには知っている限りでアトピーの子がいません。移住前に住んでいたところと較べて、別の国みたいです。

果樹と猿2009年06月11日

もらったイグリと枇杷
 Yさんに連れられて草刈りに行ってきました。雇われ仕事です。今日は中筋川沿いの間(はざま)という集落の県道維持作業です。一日草刈り機を握っていたので手がしびれて、キーボードを打つのもやっとです。
 今現在、四万十は果物のオンパレードです。あちらこちらに果樹が植わっている(うちのまわりにも植わっている)ここでは、もらったものを食べるだけでもかなり大変です。小夏、イグリ(スモモ)、ヤマモモ、枇杷、野いちご等々・・・。うちの周りにある果物を食べて、子供たちは大きくなります。
 大きくなるのは子供たちだけではありません。猿も果物を食べて大きくなります。今日行った集落にも果樹がたくさん植えられていましたが、それを食べに来たのか、猿の群れが現れました。こっちは四人で草刈り機を使っているのに、そんな音では驚きません。農家はたまりません。

イグリ騒動記2009年06月12日

我が家のスイカ
 昨日も書いたように、現在四万十は果物オンパレードです。私は今日ヤマモモを採って帰ってきたのですが、帰ってくると、またイグリ(スモモ)が増えています。妻に聞くと、Aさんが持ってきてくれたとのこと。なんでも、Aさんが我が家の上にあるYさんの家のお墓(うちの前の山には、大家のYさんの家のお墓と、田んぼを借りているYさんの家のお墓が並んでいます)にお参りに来て、お供えとしてYさん(田んぼの方の)の家のイグリをもいできたとのこと。その後、動物が食べに来るといけないからと、お墓から下げてうちにおいていってくれたそうです。ついでに我が家の草ぼうぼうの畑を見て、一時間半ばかり草刈りをしてくれて、「あー、ストレス発散になった。」といって「また刈りに来るね-。」と言って帰って行ったそうです。すみません、気になるほど草ぼうぼうで。おかげで綺麗になりました。しかし何という有り難いストレス発散法なのでしょう。
 さて、それはそれとして、困ったのはイグリです。甘酸っぱくて美味いのですが、日持ちがしません。昨日もらっただけでボウル(大)二つ分あります。まだ枇杷もあります。妻が頭を抱えているところへ長女がAさんの孫娘(三年生)といっしょに帰ってきて、Aさんの家に遊びに行くのに、イグリを持っていくと行って聞きません。別に構わないのですが、YさんのイグリをAさんがもいでうちにくれて、それを娘が持ってAさんのうちに行くとなると、結局誰が誰にくれたイグリになるのでしょうか。よう分からなくなりました。
 まだ続きがあります。その後、イグリの木の持ち主のYさんが高枝切りバサミを持ってやってきて、「これ置いてくけん、イグリ採ったやぁ~。」
と言って帰って行きました。三食イグリになりそうです。くどいようですが、まだ枇杷もヤマモモもあります。そこに何がどうなっているのか、母がスイカを送ってきてくれました。どうやら長女が電話でこっそりおねだりしたらしい。長女め・・・。(追伸 ばあちゃんスイカありがとう。孫一同より)

イグリの結末2009年06月13日

イグリ
 今日も一日Yさんと草刈りでした。道路維持作業というやつです。
 イグリの処理に困った妻は、果肉だけ取って、冷凍して、スムージーにすることにしたようです。

妻念願の田植え2009年06月14日

イグリをかじる長男
 梅雨入り宣言もどこへやら、四日連続の晴れです。妻念願の田植えをしました。「Mちゃんちへ遊びに行ってくる-。」と家の手伝いもせずに出掛けていった長女を除き、家中総出での作業です。この総出が大変でした。「私もやる-。」と勝手に適当なところに植えてしまう次女と、気がつけば泥を食べている長男とを連れての作業なので、ちっともはかどりません。弱り果てている所へTさん夫妻とYさんの家のおばあちゃんが来てくれて、Tさんは子守り(とカメラマン)をしてくれる、T夫人は田植えを手伝ってくれたり、イグリを取ってきて子供たちに食べさせてくれたりしてくれる、おばあちゃんは苗取りをしてくれる、と言った具合で、皆さんのご協力のおかげでやっと無事田植えが終わりました。ありがとうございました。通りがかる人、通りがかる人が、みな足を止めては眺めていくので、T夫人は「天皇皇后両陛下の御田植えみたいやね。」といっていました。確かにギャラリーは多かった。
 憧れの田植えの感想を妻に聞くと、妻は
 「おお、ことーた(訳:あぁ、体にこたえた=疲れた)。」
と、覚えて間もない幡多弁で答えて転がったまま動かなくなりました。農業の大変さのほんの一部分を体感した午前中でした。

紫陽花の花盛り2009年06月15日

庭の紫陽花と田植機+妻の脱ぎ捨てた田靴
 四万十は今、紫陽花の花盛りです。いろいろなところで見られますが、観光名所は安並の水車周辺です。一度見に来ませんか。  安並まで来たら、一度国道439号線を遡ってみてください。綺麗な景色が見られますよ。ただし、住次郎から先は、覚悟していくか、または賢明に引き返すかです。国道という名こそ付いていて、確かに国の管理ではあるのですが、国道439号線は別名「酷道予算悔い線」と地元の人が呼ぶすごい道です。最近はナビのいう通りで分からんづくに通る人がおって危ないといいます。道幅は1,3車線、ガードレールは少ない、片側は崖、すれ違い場所は極端に少ない、と来れば、その危なさが分かってもらえるかと思います。  四万十川周辺にはまだこういう道も結構あって、「行かれるろう」と高をくくっていくとえらい目に遭うことがあります。かく言う私も、今までさんざん大変な道を通ってきました。まあ、それはそれで楽しいんですけどね。

新ジャガが採れた2009年06月16日

新ジャガ
 妻が日課の畑の手入れをしていると、土の中から虫に喰われたジャガイモが・・・。いかん!ということで、数株掘ってみると、出てくるわ出てくるわ、ジャガイモが。まさかこんなになっていると思っていなかった妻は驚きを隠せません。最近、果物ラッシュでもあるのですが、野菜の方も負けてはいません。茄子・ピーマン・シシトウがどんどんできます。トマトは熟すまでまだかかりそうなものの、いっぱいです。かくして我が家の食卓はそのほとんどが野菜となります。たまに出てくるタンパク質は川エビくらい・・・。(← 嘘です。昨日だってちゃんと鰹のたたきを450円で買って食べました。)自前の野菜は当たり前ながら美味いです。鮮度が違いますもんね。ピーマンを焼いても、茄子を焼いても、うちの子供たちは競って食べます。美味いから。

歩いて通う2009年06月17日

保育所への道
 移住の条件の所(5/30移住生活の課題2 住居)でも書きましたが、住居を決める際に、子供が歩いて通える範囲に保育所・小学校・中学校があることを重視しました。
 小一になった長女は、毎日近所の小学生といっしょに(集団登校というわけではなく、自主的にです)徒歩で通学しています。もちろん帰りも道草を食いながら(春先にはイタドリやスカンポ、蓮華をかじって、文字通り道草を食ってました)歩いて帰ってきます。なかなか真っ直ぐに帰ってこないところは親譲りといったところです。最初の数日は、学校の先生がいっしょに帰ってきてくれたのですが、娘は養護の先生も、校長先生も、みな畦道を通らせて帰ってきました。行きも帰りも、地域の人たちが見ていてくれます。知った人の車が通ると、娘も慣れたもので手を振っていきます。誰かが帰りがけに何か持たせてくれたりすることもしょっちゅうです。そのまま友達の家に上がり込んで帰らず、叱ることもしばしばですが、それも含めてすべてが子供にとって大切なことだと思います。
 次女もまた、歩いたり、自転車の後ろに乗ったりして保育所に通っています。途中に架かっている橋のうえから必ず川をのぞき、途中に生えている草をむしりながら歩きます。いろいろな生き物も現れます。今日の帰りは少し遠回りして沈下橋で鮎を眺め、そこからの帰りがけにウズラの親子に出くわしました。秋にはイノシシが掘った痕があることもありますし、春の初めには鹿が草の新芽を食べた痕もあります。木の実があれば拾い、食べられるものは食べ、いろんな事を覚えていきます。
 この集落にも少子化の波は押し寄せていますが、なんとか子供が歩いて通える環境であってほしいと思います。

今年の筍も終わりです2009年06月18日

クロ竹の筍
 Yさんがクロ竹の筍を持ってきてくれました。孟宗竹から始まった筍も、ここまで来るともう終わりです。この筍も水にさらさなくていいほどアクの少ない筍です。美味いです。今日は一日鮎と格闘して終わりました。結局一匹も釣れませんでしたが、いい一日でした。夕方、Yさんが今度は鮎を持ってきてくれました。解禁初日に釣ったものをおとり用にとって置いたらしいのですが、余りにつれないので「もう要らんけん、食べたや。」と言っておいていってくれました。有り難く夕飯に焼いて食べました。子供たちが喜んで食べました。さて、明日こそは自前の鮎を。

夜中の悲鳴 移住生活の課題3?2009年06月19日

河原のトンボ
 昨晩、みなが寝静まった深更に、妻の悲鳴が響きました。跳び起きると、額に冷たいものが当たったといいます。明かりをつけて辺りを見回しても、何も変わったところはありません。大概こういう場合、子供の足でも乗っかったのだろうとなるのですが、寝相のものすごく悪い子供たちは、みな部屋の隅に散り散りになっています。どうも子供の仕業ではありません。となると・・・?布団から枕からひっくり返して探すと、いました。犯人が。
 あ、見っかっちゃった、という感じでウニャウニャと隠れようとするそれは、体長7~8センチの中型のムカデ。よく出るんですね、こいつが。
 家の中で観察できる虫はこれにとどまりません。一昨日の夜は10センチくらいのゲジゲジが出ましたし、ゴキブリの出没は茶バネ・黒ゴキを問わず日常茶飯事です。アシダカグモという大型の蜘蛛も数匹います。これは、ゴキブリの天敵ということで大事にして共同生活しています。古いうちですので、どうやってもどこかから虫たちが遊びに来てくれて、絶えずうちの中に何かが飛んでいますし、何かが床を歩いています。
 豊かな自然が残っているということは、当然虫の世界においても生物的多様性が守られているということで、別にどうって事はないのですが、中にはどうしてもダメという人も居るでしょう。あの嫌われ者のゴキブリだって、旭川出身の大学の同級生はカブトムシと間違えて飼ってましたし(北海道にはカブトムシがいないので憧れの存在だったそうです。かく言う私の母も、東京の寿司屋で壁を這うゴキブリを見て「あ、カブトムシ飼ってるんですね。」と大将に声をかけようとして妹に止められた)、どうってことない人にとってはどうってことない。しかし、ダメな人にとっては移住の課題になるくらい重い現実でしょう。
 私としては、むしろ悩みは蚊やカツボウ(ブヨ)の多さです。子供たちは気をつけていてもいつもどこか喰われています。特に長男がよく喰われる。昨夜も二箇所刺されてました。もっともこれはその長男が窓を開け放ったり、網戸を破いてしまったりすることに一番の原因があるのですが。
 決して虫が得意なわけではない妻は、初めの頃は「もう我慢できん!」と怒っていましたが、今では少しだけ慣れたようです。でも、特にムカデは嫌らしく、台所で何か足に触れたりすると「ムカデか?」と思って払いのけるのこと。でもそれは大抵ほどけた短パンの紐だったり、下げてあるタオルだったりなんですがね。昨夜もムカデ退治の後、「なんかおでこがチクチクする。」と言うので、薬をつけました。朝よく見ると、やっぱり刺されてはいませんでした。よかったよかった。