貝は食いたし命は惜しし2009年06月22日

ヤクシマダカラ貝
 大潮です。今日は昨日のNさんに負けじと、土佐清水市の下ノ加江の磯(4月12日に行った同じ磯)に貝を捕りに行ってきました。といっても、出るのに手間取って、11時40分の干潮に間に合わず、着いたのは12時25分。時すでに遅しの感が濃厚でした。じわじわと押し寄せる潮の中、平日の昼なので他に誰もいない磯でただ一人、歌を歌いながら貝を捕りました。こんな時に出てくるのは嘘歌ばかりに決まっています。幸先よくアナゴを捕ったまではよかったのですが、その後が続きません。この貝は磯の穴に潜んでいるのですが、その後探った穴という穴には蟹がいて、ハサミを振りかざして反撃してきます。それならニナ(クボガイ)でも拾おうとしても、ほとんど見あたりません。春にはあんなにいたのに・・・。考えてみれば当たり前です。あの時と今とではお日様の光が違います。あんな風に水から上がってゴロゴロしていたら、焼き貝か茹で貝になってしまいます。仕方がないのでもう一度水に入って捕りましたが、穴の中には蟹とウニばかり。たまにいるのはアマガイの仲間(これはたべられるので捕りました)。それから今回いくつか捕れたのがタカラガイの仲間です。名前はよく分かりません。タカラガイの世界はハゼの世界と並んで結構複雑で、タカラガイの仲間だけの本も出ているくらいですから、私ごとき素人ではとてもとても・・・。でも、貝殻だけはよく見る種類だったので、調べてから食べるかどうか決めようということで、いくつか捕って帰ってきました。結局貝だけで晩ご飯のおかずになるほどは捕れなかったので、帰りがけの産直で五匹100円のトビウオと一匹300円のグレ(メジナ)を買って戻りました。
 さて、帰ってからが大変です。図鑑で調べてもタカラガイが食べられるのかダメなのか全く書いてありません。貝の調理法を書いた本にもタカラガイなんぞ出ていません。ネットで調べると、食べたという記事はわずかに出てくるものの、それだけに一家の命運を賭けるわけにもいきません(しかも食べたとあるのは別の種類のタカラガイ)。見た目、アワビと変わりません。直勘では食べられると思います。しかし、こういう場合、キノコ採りと同じで疑わしきは食さずが鉄則でしょう。貝には申し訳ないものの、廃棄処分することにしました。タカラガイコレクターに怒られるな、きっと。