ヨブキーズのロゴが送られてきた 附:夜ぶきについて2009年06月09日

ヨブキーズ ロゴ
 5月31日の記事を読んで、友人Iがこんなメールをよこしました。

5/31に夜ぶきのユニフォームの話しがあったけど、ヨブキーズのロゴをデザインしてみました。近々、簡単なステッカーにして送りたいと思います。気に入って頂いたあかつきには、ぜひユニフォームに入れてください。でもスコートだけは・・・・・・。

で、今日、こんな文章とともに封書で送られてきたのがこれです。まさか本当に作るとは・・・。

拝復
 先日、メールでお知らせしましたヨブキーズのロゴ(案)ステッカーが出来上がりましたので同封します。試作品ですのでご自分でカットしてお使いください。一応水濡れに強いのですが、屋内用です。川に入る人たちに申し訳ないのですが、あくまで試作という事でご勘弁を。
 ロゴのほうですが、「満月の夜に、突いたエビを月にかざして、ご満悦。」をテーマに作成しました。決してニューヨークヤンキースのパクリではありません。 ー中略ー  気に入っていただけたらユニフォームに入れてやってください。どうしても下をスコートにするなら、アンダースコートのバックプリントにお勧めです。しつこいようですがヤンキースの真似ではありません。   敬具

ヤンキースからクレームが来ないか心配です。よこすなら日本語にしてほしい。

 ところで、何回か夜ぶきについて、Yさんの奥さんが「フランス語」と主張していることを書いたので、それを本気にしている人も居るようですが、訛ってはいるもののもちろん純然たる日本語です。小学館の『日本国語大辞典 第二版』によれば、

よぶり【夜振】夜間にたいまつなどをともして魚をとること。火振り(ひぶり)。夜焚き(よたき)。《季 夏》

とあって、家忠日記の天正九(1581)年八月二七日「川かりに夜振りに越候。」以下いくつかの用例があがっていますから、それなりに古い言葉であることが分かります。気になるのは、その後に付いている方言の中に、

③新嫁が田植後に実家に骨休めに行くこと  岡山県邑久郡

とあることです。嫁の里帰りを「かえる」「もどる」を忌んで別の言い方をすることは昔の日本では一般的でした。例えば同じ岡山だけでも「ツクリアガリ」「ハルナグサミ」「アシアライ」と、地方、時期により様々な言い方があります。そこまでは分かるのですが、なぜ里帰りが「夜振り」なのでしょう。これについて婚姻習俗語彙(国書刊行会)では、「田植え前に田に上がった魚を獲りに行くヨボリと関係ある語であらうか。」としています。しかし、仮にそうだとしても、なぜ嫁の里帰りが「夜振り」なのでしょう。ヨボリと女性は何か関係があるのでしょうか。
 一般的に昔の日本では男の仕事と女の仕事が分かれていました。田んぼで言えば田起こしや代掻きといった仕事は男、田植えは女、漁労で言うと、潜りで貝などを捕る海女や浜辺での海草とりは女性の仕事ですが、網や仕掛けで魚を獲るのは男の仕事です。もちろん体力による区分けもあったのでしょうが、信仰の問題も絡んでいて、そう話は単純ではありません。
 で、話は戻って夜振りですが、これはどっちでしょう。調べていく限りでは男の仕事とも女の仕事とも分かりません。ただ、蕪村の
 
 雨後の月 誰そや夜ぶりの 脛白き

と言う句などを見ると、これは当然女性でしょう。案外ヨブキーズの活動に熱心なのが女性ばかりなのは由緒正しきことなのかもしれません。