カンゾウが咲いています2010年06月30日

今の時期の四万十はカンゾウの花盛り。いたる所で見ることができます。
カンゾウ
花びらが一重のものをノカンゾウ、八重咲きのものをヤブカンゾウといいます。
カンゾウ
この辺りで咲いているのはヤブカンゾウですね。
この花、日本最古の歌集、『万葉集』でも詠まれています。万葉時代は、「忘れ草」と呼び、この花を身につけると憂い、特に恋の憂いを忘れることができると考えられていました。

 忘れ草 吾が紐に付く 時となく 思ひわたれば 生けりともなし
                                万葉集巻12・3060

 ~(恋の憂いを忘れられるという)忘れ草を着物の紐に付けます。いつもいつもあの人のことばかりを想いつづけていると、生きた心地がしないので・・・。~

このヤブカンゾウ、若芽が食べられます。ヌルヌル、シャキシャキしていて美味いです。ヌタでどうぞ。

コメント

_ 菜の花兄ちゃん ― 2010年07月01日 22時57分

「忘れな草をあなたに」という歌がありますが、この花のことなのでしょうかね?それにしてもいい和歌を出してきますねぇ。さすがkawatarou様

あなたのことを片時でも忘れたいからこの花を帯に付けます。
本当は忘れたいどころか、あなたのことがますます恋しいのですよ・・・
という気持ちを反対の表現で言い表していると解釈すればいいのでしょうね。
私のためにこんな歌を詠んでくれる人いないかなぁ・・・・

_ kawatarou ― 2010年07月02日 22時57分

 菜の花兄ちゃん、こんばんは。お元気ですか。恋歌を解釈させたら右に出る者はいませんね。さすがです。平成の業平とお呼び申し上げたいくらいです。それに較べて私の現代語訳の何と色気のないこと・・・。格の違いをお思い知りました。
 さて、お尋ねの「わすれな草」ですが、こちらは漢字で書けば
「勿忘草」、英名 forget-me-not の和訳です。花言葉はそのまま「私のことを忘れないでください」。春から夏にかけて小さい藍色の花を咲かせます。恋人のために岸辺の花を摘み、誤って流れに落ちた若者の最期の言葉から付けられた名前だそうです。西洋の伝説ですが、ちょっと伊勢物語っぽいですね。

水色に 咲ける花こそ 優しけれ 勿忘草と 教へたまへり   宮柊二
フランスの みやび少女がさしかざす 勿忘草の 空色の花  北原白秋

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