人が財産2011年02月21日

 昨夜少し書きましたが、昨日、集落でイベントをしました。私の住む村は約100世帯。少子高齢化の、典型的中山間地です。一口に村でイベントをやると言っても、並大抵のことではありません。このイベントのために、有志で月1回の会議を開き、準備を重ねてきました。もちろん観光・イベント企画のプロは1人もいません。当然、それだけ準備をしたのに不備も山ほどあって、当日は大混乱、大騒ぎです。準備できているはずのものができてなかったり、まったく見落としている部分があったり、いるはずの人がいなかったり、とにかくいろんなことがあります。当日だけお願いして来てもらっているスタッフもいますから、話が通っていないことも沢山あって、行き違いも生じたりします。準備をしてきたスタッフは、それぞれが2つ3つの担当を受け持っていますから、自分のことで精一杯。自分の担当以外で何が起きているのかなんて分かりません。前日からずっと準備してますから、終わって片付けたころにはみんなヘトヘトです。もっと達成感があってもよさそうですが、とにかくそれよりもヘトヘトです。昨年もそうでした。
 スタッフの内情が上記の通りですから、よそから来たお客さんが楽しめないかというと、私の知る限りそんなことはありません。もちろん、祭りのスタッフに面と向かって苦情を言って帰る人はそうはいないでしょうし、私たちを気遣っての社交辞令もあるでしょう。でも、現に今回村外からイベントに参加してくれたお客さんの半分が、昨年も来てくれたお客さん、つまりリピーターです。初めての友人を連れてきてくれた人も沢山います。昨年の参加者で、申し込みが遅れたがために締め切られた人も、ようけいました。「去年も今年も入れなかった」という人もいました。そういう人も、「間に合わなかった!」といって、それでも来てくれていました。「来年の申し込み今できない?」と半分冗談、半分本気で言って帰ったお客さんもいます。今年の参加者も、「来年もまた来ます。」といって帰ってくれました。

 小さな村の小さなイベントです。それなりに工夫はしますが、目新しいことが、そうできるわけではありません。でも、はやリピーターがついてくれるイベントにまで成長しました。「 村の人がやさしい。 」「 ムラが好きなのを感じる。 」「 みんなでやってるこの雰囲気がいい 」といってくれます。たしかに、準備をしてきたスタッフも、当日手伝ってもらったスタッフも、みんなボランティアです。前日に餅撒きの餅を朝5時から昼過ぎまで準備してくれたおばちゃんたちも、ボランティアです。「どうせ餅を買ったらお金がかかるけん、その半額だけでも取って下さい」と言っても、「村のことだから・・・」といって取ってくれません。お客さんは、多分その辺のことを感じてくれたんだと思います。

 その、リピーターになってくれたお客さんが共通して言うのは、「 ここは人がいい 」ということ。移住してそれを一番強く実感している私が言うんだから間違いありません。当たってます。「 ここは人がいい 」.。
何があるわけでもないムラです。でも、ここには「 また来たい 」と人をして思わしめる人たちがいます。このムラの財産は、人です。

 このイベントは、1人のおんちゃんの「ムラを何とかしたい」という熱意から始まりました。それに賛同者が加わって組織になり、今年で3回目です。まだまだ発展途上の組織であり、発展途上のイベントです。全てが順風満帆なわけではありません。意見の違いもあります。衝突することもあります。でも、みんながこのムラが好きで、ここをもっといいムラにしたいという思いがあることに変わりはありません。また次の活動に向けて頑張りたいと思います。