ガネミソ作り2012年08月12日

今日は明後日の盆踊りで売るガネミソを作りました。ガネミソとはこのムラの伝統食で、ガネ(ヅガニともいう。標準和名モクズガニ)でつくった薩摩揚げのようなもの。他の地域ではあまり見かけません。西土佐の一部と、大正にもたしかあったかな。
昔の保存食ですからしょっぱくて、ビールがすすみます。この辺りの人は夏ばてでもガネミソがあれば飯が食えるといいます。
材料は、

ガネ(適量)
糠(適量)
ニンニク(適量)
生姜(適量)
卵(適量)
塩(適量)
油(適量)

以上です。上の適量は(適当)と言い換えていただいて結構です。

では、その作り方を。

まず、ガネ(ヅガニ=モクズガニ)を用意します。
ヅガニ

ヅガニ
気をつけないと逃げますので注意して下さいね。

挟まれないように気をつけながら解体します。さばくというより、解体といった方がふさわしい作業。ちょっと可哀想ですが、ガネは死んだものは自己消化してすぐ食べられなくなりますから仕方ない。まずハサミを取り、甲羅を外し、足の先に付いてる爪を切り(食べてる時刺さると痛いので)、エラ、口の周りの固い部分、褌と呼ばれるお腹の蓋みたいな部分を外します。
ヅガニの解体

甲羅の味噌は集めて、卵と合わせておきます。
ヅガニの調理


体の腹側の部分と脚(爪を除いたもの)を臼で搗きます。この時よ~く搗かないとあとで口の中に刺さるのでしっかりと。
ガネミソ作り

先ほど別にした蟹のミソと卵を合わせたもの、糠、ニンニク、ショウガ、塩を合わせて、さらによく搗きます。
ガネミソ作り
ポイントは塩加減とつなぎの糠の量なんですが、私ごとき初心者にはなんとも申せません。それでも強いていえば、糠の加減はエチケット袋の中身ぐらい(だって似てるんだもん)・・・・よりちょっと固め。揚げ物にする魚のすり身よりちょっと柔らかめ。少しタップタップするくらいの感じ。う~ん、これ以上語彙がありません。塩加減は揚げてみて味見して決めます。最初から入れすぎないように。あ、それから大切なことですが、沢ガニも含めて淡水の蟹には肺ジストマを引き起こす吸血肺虫(きゅうけつはいちゅう)という恐ろしい寄生虫がいます(蟹が好物のイノシシにもこの寄生虫はいます。だからイノシシもしっかり加熱調理して下さいね)のでくれぐれも生で口にしないでください。調理の際にもしっかり火を通すことが肝要です。調理した後のまな板や包丁等もしっかり熱湯等で殺菌して下さいね。
上海ガニの亜種ですからとても旨い蟹ですが、その点だけはくれぐれもご注意を。

さて、調理も大詰め。上の臼の中で合わせたものを(温度が高いとすぐ焦げる)120℃~130℃の低温でしっかりと揚げて
(しっかり揚げて下さいよ。でも揚げすぎるとカスカスになります)
ガネミソ作り

できあがり。
ブシュカンを絞って食べたらなおのこと美味い。
ガネミソの完成
ほんま、ビールがすすみます。