初物 メジカの刺身2012年09月11日


メジカの新子
平野のMさんが今朝どれのメジカ(標準和名マルソウダガツオ)をわざわざ持ってきてくれました。平野から我が家まで、決して近くはありません。「釣れたけん、とりにきたや。」ならまだしも、持ってきてくれるとは。
「スミマセン、もらう話でなんですが、いただきに伺いますから。」
というと、
「かまんかまん、この間も来たがやけんどおらんかったけん。」
えっ、空振りまでさせてたんですか。
重ね重ねスミマセン。いつもありがとうございます。

ここ四万十には、他人のために自分の時間を使えるこういう人たちがそこにもここにもいます。そこには give & take も損得勘定もありません。宗教的に言えば「無私」だとか、「利他」だとかいうことになるんでしょうが、信仰によるものではありません(と思います)。長年培われてきたお接待文化が浸透しきっているんでしょう。してもらったこちらが恐縮してしまうようなできごとが屡々あります。こういう人の繋がりが、この街の良さであり強みだとつくづく思います。

今が旬のメジカ新子は足がはやくて、今朝どれは昼に、夜食べるのは昼から取ったものでないとダメだとすら言います。たしかにそのくらいあっという間に味が変わる。ビリビリのメジカはモチモチとした弾力のある身で、甘みのある鰹みたいな味とでも言えばいいんでしょうか。同じく今が旬のブシュカンと合わせて食べれば箸が止まることを知りません。
美味さが保つ魚だったら県外に高値で出せること間違いない美味さなんですが、地でないと食べられない。
勿論このメジカ、美味かったですよ。地元ならではの至福の味。
Mさん、ごちそうさまでした。
(またくださいね。こんどは取りに行きます。)