月草 ほたる草 うつし草2011年10月05日

露草
月草 ほたる草 うつし草 ・・・いづれも露草の別名です。その可憐な姿、うつくしい名とはうらはらに、この草、畑に生えるとしつこいのなんの。茎の節々から根を出し、あっという間にはたけ一面を覆います。引いても引いても出てくる、途中で切れてそこから増える、とにかくしつこい。

でも、それなりの利用法もあります。まずは虫に刺された時。この草をもんで付けるととりあえずのかゆみ止めになります。次に若芽を摘んで湯がいて食べると、結構いけます。乾燥させたものを煎じて、熱、下痢、のどの痛み、湿疹かぶれ等の薬にもなるそうです(出典:自分で採れる 薬になる植物図鑑 増田和夫監修:柏書房)。それから染料。この草で染めた色が露草色・縹(はなだ)色です。別名の「月草」は昔この花を臼で搗いて花染めにしたところから来た名だとか。万葉集巻七に

 鴨頭草(つきくさ)に 衣ぞ染むる 君がため
                           緑色衣 摺らむと思ひし

と詠まれています。