西土佐 長生の沈下橋流失2009年08月13日

 四万十川には、本流・支流併せて、正式に認められている(登記簿などに載っている)ものだけで47の沈下橋があると言われています。実際の所もっと多くあり、沈下橋の写真ばかりを撮って歩く人もいるくらいです。欄干のないこの橋は、建設費用が抜水橋(普通の橋)よりはるかに安上がりですむため、昭和の一時期数多く造られました。川面に近く、親水性が高い、また、増水時にはあえて沈めてしまうということで先人の知恵の結晶のようにいわれますが、その裏には貧しい幡多の人々の生活があったことを忘れずにおきたいものです。
 今日の高知新聞に、旧西土佐村の長生(ながおい)の沈下橋が今回の増水で流失したことが載っていました。水をかぶった時の抵抗を少なくし、流されにくくするために欄干を付けない沈下橋ですが、それでも増水で流れてしまうことはあります。この橋は長生地区の人の生活道路になっているので、長生の人は困っていることでしょう。現在、観光資源として価値が認められている沈下橋ですが、第一は生活道路です。
 以前は抜水橋が掛かったら取り壊されていた、あるいは流されても復旧しなかった沈下橋ですが、橋本前知事の時から保存されるようになりました。今回も補修するみたいです。ええことだと思います。沈下橋からの飛び込みのない四万十川なんて四万十川とはいえませんから。