山下一穂氏の高付価値型農業研修に行ってきました2009年07月23日

うちの菜園も田んぼも有機無農薬です
 今日は午後から、四万十市雇用創造促進協議会主催の高付価値型農業研修に行ってきました。講師は山下農園主催・土佐自然塾塾長の山下一穂氏です。今日のテーマは「光合成」。とても勢いのあるおんちゃんで、話は要するに「有機農業で世界を変える」という事でした。土佐の男らしく、発想がでかいです。食糧自給率100パーセントは通過点だ、目標ではない、とも山下さんは主張します。目標にしたら半分くらいまでしか行かない。自分たちの食料は自分たちで作り、その剰余を食糧危機に陥っている国へ供給すべきだ、そのための有機農業の技術を土佐から発信するんだ、ということでした。やっぱりでかいです。
 経済的に自立の出来る有機農業を実際に進めている氏ですが、考え方はとてもシンプルです。”光合成をスムーズにする作物作りを”。この一言に尽きます。二酸化炭素に水、それに光が作用することで炭水化物が出来ます。それに土中の窒素が反応してタンパク質が出来ます。これが作物の体の元になるので、今の農業は窒素が大量に入った化成肥料をいれて繊維質ばかり太った作物を短期間で作ろうとする。これが窒素優先の農業です。それに対し有機農業は、タンパク質の大本になる炭水化物を重視します。元がしっかりすれば、丈夫で病気にも虫にも負けない作物が出来る。そのためには炭水化物を作り出す光合成がスムーズにいく土作りをすればいい。これが炭水化物優先の農業=有機農業です。炭水化物優先の土の中には酵母や乳酸菌などの分解者が多く、菌の世界でも生物的多様性が保たれている。それが結果、植物を底辺とした食物連鎖の底辺がひろげるので、食物連鎖のピラミッドを大きくする、つまり生物的多様性につながる。また、有機の畑は炭素の貯留機能が高い。という事は、今問題とされている二酸化炭素の削減にも貢献できる。実際に、国は京都議定書の温室効果ガス削減目標達成が難しくなった今、カーボンオフセットの対象として有機の農地を登録しようとしている。つまり有機農業は、環境問題解決にも寄与しうる、社会的貢献度の高い農業だ。という具合に山下さんの話は続いていきます。土佐人の大風呂敷とよく言いますが、結果を出している山下さんの話ですから、その大風呂敷も現実味を帯びてきます。なによりも、その気概に感服しました。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://40010noaokinagare.asablo.jp/blog/2009/07/23/4454942/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。